法律事務所suiを開設して1年経ちました。「正しさ」よりも大切にしたいこと

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こんにちは。弁護士の中内康裕です。

2025年9月15日に代々木で「法律事務所sui」を開設してから、1年が経ちました。
早かったような、長かったような、そんな1年です。

この1年間は、ブログなどの発信をほとんどしてきませんでした(というより、できなかったというのが本音です)。
ただ、2年目の今年は記事を書いていきたいと思っています。
その第一弾として、まずは「私がなぜ独立したのか」「どんな事務所でありたいのか」をお話ししたいと思います。少しお付き合いください。

大きな事務所での経験

私は弁護士になって、約7年間、2つの事務所で経験を積みました。
最初の2年間は弁護士が500人規模の大きな事務所、その後の5年間は数十人の弁護士が所属する事務所です。

弁護士が多く所属する事務所のメリットはたくさんあります。
大企業の大きな案件に対してマンパワーがある。
人が多いので、多様な専門性を持つ弁護士がいる。
マンパワーゆえのスピーディな対応ができる。

ただ、事務所の規模が大きかったり、これから大規模化を目指したりする事務所の場合、事務所運営として、対応をある程度仕組み化し、弁護士の人数を確保し、その上で収益性も考えることになります。これは必然ですし、合理的な判断です。
そして、そのような構造の中では、次のような場面が生じることがあります。

たとえば、
実際に知り合って仲良くなった弁護士に依頼したけれども、窓口として出てくるのは別の(若手)弁護士というケース
対応に複数の弁護士が関与して思いのほか時間とお金がかかるケース
ご相談者の気持ちより事件処理が優先されるケース(私見です)

これ自体は間違いではありません。組織を成り立たせるための、合理的な仕組みです。
そのうえで、私はあえて合理化の道を選びませんでした。なぜなら、法律問題は、時には感情の問題の場合もあると考えているからです。

あるファッションブランドとの出会いで見えたもの

独立を考える中で、私の背中を押してくれた出会いがあります。あるファッションブランドとの出会いです。

このブランドは、日本のトップレベルの産地や職人さんの生活が厳しいという状況に危機感を持ち、生地屋さんや縫製工場さんといった生産者の方々に対して、一切値下げ交渉を行わない。
原価率を引き上げて製品のクオリティを高めつつ、手に取りやすい価格でお客様にご提案する。
それを実現するために、卸ではなく直販を行うことで利益率を確保する。

取引先の利益を削って自分が儲けるのではなく、自分の工夫によって、みんなが成り立つ構造を作っているわけです。

この話を聞いたとき、私はとても腑に落ちました。
揉め事や裁判を扱う弁護士という職業の私がこんなことを言うのは変かもしれませんが、一人勝ちではなく、関わるすべての人が幸せになるのが、本来あるべき姿ではないか。
昔から言われる「三方良し」です。自社の利益しか考えない会社は、今の世の中では続いていかないのではないかとも感じていました。

「正しさ」よりも、その人にとってのあるべき姿を

私が事務所を立ち上げたのは、真にクライアントのためになる事務所を作りたかったからです。その姿勢を一言で表すなら、次の言葉になります。

「正しさよりもその人にとってあるべき姿を選ぶ」

法律上の正しさを突き詰めれば、答えが出る場面は多くあります。
しかし、その正しさが、目の前のご相談者にとって最善とは限りません。

具体的には、次のような向き合い方をしていきたいと思っています。

  • 仮に経済的にメリットがあったとしても裁判がその人にとってベストな選択でないなら、戦わないことを提案します。
  • 大事なのがお金ではなく感情であれば、その解消に努めます。
  • 法律はあくまで手段にすぎません。ときには法律によらない解決も、相談者と一緒に考えます。
  • 顧問契約をご希望のご相談者であっても、その方にとって顧問契約のメリットがないようであればお断ります。

これから

私は、先ほどのような「三方良し」の想いを持って動いている方たちと一緒に歩んでいきたいと考えています。
そして、その人たちをサポートしていきたいです。

業種は問いません。個人の方ももちろんご相談ください。
私自身はファッションが好きで、その分野に関わる機会も多いのですが、正直に言えば、別にファッションローでなくてもよいと思っています。
大切なのは、どんな想いで事業や人に向き合っているかです。

困ったときにすぐ相談でき、ときには法律関係なく一緒に答えを探せる。そんな存在でありたいと思っています。

最後に

私は、一人ひとりのご相談に時間をかけて、丁寧に向き合いたいと考えています。

例えば、初回の法律相談を実施する場合には、事前に相談事項や悩み、目指したい解決方法などいろいろな質問事項にご回答いただいた上で、法律相談を実施します。

そのため、弊所が設定する弁護士報酬は、決して安くはありません。
もっと報酬の安い事務所は多くあると思います(し、どの弁護士事務所もベストなサービスを提供してくれると思っています)。

時間をかけて向き合うことの価値を、ご理解いただけたらうれしいです。
そして、それでもお願いしたいと思ってくださる方と、ぜひご一緒に仕事ができると嬉しいです。

独立から1年。
これからも、肩肘を張りすぎず、でも誠実に、一つひとつの相談に向き合っていきます。
今後の記事でも、私の考えや日々のことを、少しずつお伝えしていく予定です。よろしければ、また覗きにきてください。